恋と、嘘と、憂鬱と。


その時は、本当にただ純粋に玲子さんの顔が見たくなっただけ。

けど、この時の私の行動が私と颯真くんの少しだけ近づいた関係性に、暗い影をさすきっかけになることを私はまだ知らない――。


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「玲子さん、家にいるといいけど…アポ無し訪問だもんなぁ」

私と眞子ちゃんの家から旅館までの一本道。その途中に左に曲がる道がある。

そこを曲がって、数分歩いた先に玲子さんの家はあった。

在宅ワークの玲子さんは、基本的には家にいることが多い。

駐車場に車があれば、家にいるはずなんだけど…。

遠目から車庫を見ると、白のミニバンが停まっているのがわかり、私はホッと胸を撫で下ろす。

よかった…!家にはいるみたい。

ふふ。玲子さん、びっくりするだろうな〜。チャットでは明日会いに行くってメッセージ送ってたからまさか今日私が家に来るなんて思ってもいないだろうし。

はやる気持ちを抑えつつ、私はとうとう玲子さんの家の前までやってきた。