「皆さん、はじめまして。いつも季里がお世話になってます。季里の母です。あら、都会の子たちはやっぱり皆顔がいいわね〜」
港で待っていた母は、そう言って霧谷先輩、充希くんを交互に見つめると目を見開いている。
…お母さん、恥ずかしいからやめて。
本当はそう言ってやりたかったが、皆の手前私はグッと言葉をのみこんだ。
「はじめまして。季里ちゃんのクラスメイトの葉山真凛です。こちらこそいつもお世話になってます」
真凛ちゃんを皮切りに、美桜先輩、霧谷先輩も私の母に挨拶をかわす。
そして。
「横田充希です。これ、母から洋子さんにと預かってきました」
最後に充希くんが、和音さんが持たせてくれたお土産を母に差し出した時だった。
「まぁまぁ…!あなたが和音さんの息子さんね〜。話はよく聞いてたのよ!和音さんに似て綺麗な顔立ちね。年齢は確か、季里の1つ下だったかしら?」
「は、はい…」
「頭も良いんでしょ〜?来年、緑葉谷高校受験するって聞いたわ。季里と今後も仲良くしえあげてね」
キラキラと目を輝かせた母は、うふふと嬉しそうに笑みをこぼす。
若干、勢いに押され気味の充希くんは曖昧に微笑みつつも、コクリと頷いていた。



