『…っ』
一瞬、季里の表情が曇ったのを私は見逃さなかった。
…よし、今だわ!
『じゃあ、質問変えるね?久瀬先輩が颯真くんと別人だったと仮定して…。その場合だったら季里はどうしてた?』
そう思い、畳み掛けるように質問を重ねる。
季里はきっと、自分のことを話すのが苦手なんだと思う。
心の中で色々抱え込んで1人で悩んでしまっている。
だから、私が質問することで気持ちを整理して、考えるきっかけになればいいと、そう思った。
最初は答えにくそうにしていた季里も私の真剣な気持ちが通じたのか、途中からは。
『あはは。本当にそうだね、言われてみれば私ばっかり我慢して言いたいこと言えてないね』
ふふっと、満面の笑みでそう言ってくれて私も自然と頬か緩む。
初めて季里の本心をを知れたようで嬉しかった――。
真凛Side*END