そして。
「さ、季里ちゃん。和風パスタ作るの手伝ってね〜。私、まだ包丁は扱うのちょっと難しいから…お野菜とか切ってもらおうかな」
パチっと可愛くウインクをする彼女は、いつの間にか通常運転の和音さんに戻っている。
「はい、なんでも言ってください…!」
私もクスリと笑みを浮かべつつ、素直にそう声を上げた。
「じゃ、充希くんも待ってるし中に入りましょうか…」
と私が再度、カフェの扉に手をかけた時。
「…あ!それで季里ちゃん、充希のことはどう思ってるの?付き合っては…ない、のよね?」
私の耳もとでコッソリ問いかけてくる和音さん。
そんな質問に驚いて私はブンブンと首を大きく横に振る。
「み、充希くんのことは好きですけど、お互いそういうのじゃないです!付き合うなんて…恐れ多いですし。あ、それに充希くん好きな人いるって言ってました…!」
勢い余って、充希くんに好きな人がいるという事実を和音さんに漏らしてしまい、ハッとした。



