「和音さん…!」
「…母さん」
そこにいたのは、和音さんで。
おそらく用事が終わって、帰ってくる途中だったのだろう。
買い物袋を持っているし、スーパーにでも寄ってきた帰りのようだ。
「あらあら、まぁまぁ!二人ったらいつの間に一緒に遊びに行くくらい仲良くなってたの!?もう、充希も隅に置けないんだから〜」
私と充希くんを交互に見つめ、ニヤニヤと楽しそうに微笑む和音さん。
そんな和音さんを見て、嫌そうに表情を歪める充希くんに私もハラハラする。
「というか充希!せっかくのデートなのに何で女装なの!?それじゃ、普通に女の子友達にしか見えないわよ?」
「デートじゃないし。普通に買い物付き合ってもらってただけ。季里の先輩もさっきまで一緒だったから。ほら、荷物貸して」
面倒くさそうにそう言いつつも和音さんが持っていた買い物袋を持ってあげていた。
本当に、充希くんって素直じゃないなぁ…。



