恋と、嘘と、憂鬱と。


勝手に見るのもよくないよね…。

開けたい衝動にかられるも、さすがによくないと思った私は、元あった場所に箱を戻そうとしたのだが…。

ガシャン

『…っ、あ!やっちゃった…』

慌てた拍子にツルッと手が滑り、箱を床に落としてしまったのだ。

そのはずみで箱の蓋が開き、バサッと中身が床に散乱する。

『あ〜!もう、何やってんだろ。颯真に謝らないと…』

そう思いつつ、散乱した中身を拾おうと手を伸ばした時。

『これって…手紙…?』

かわいい便箋に入った手紙を数枚見つけた。

『え?西宮……颯真様?久瀬じゃなくて…?』

宛名を見ると名字が違うし、これって女子の字よね?

少し丸っこい可愛らしい文字で書かれた便箋に目が釘付けになる。

いや…ダメよ遥奈。中身まで見ちゃうのはダメ。
それはよくない…!

なんとか自制し、私はサッとその便箋を箱に戻して元あった位置に戻した。

その後。

『遥奈、ただいま。チョコこれで良かった?』

『う、うん…!あ、私が好きなやつじゃーん。ありがとね』

コンビニから戻ってきた颯真には何事もなかったように振る舞う私。

チョコを頬張り、勉強を続けるも私の意識は先程の箱に削がれていた。

でも、その日は颯真になんて切り出せばいいかわからなくて、何も聞くことができなかったんだ。