「…っ」
その瞬間、私は言葉に詰まる。
颯真くんの背中に寄りかかり、安心しきった様子で眠っている心音ちゃん。
そんな彼女の姿にギュッと胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
「…だから、最初は心音のことどうしても心の底から好きになれなかった。心音はなんにも悪くない…そんなの頭ではわかってたのに中学の時はそんな風に考えることができなくて…でも、ある人から言われた言葉がきっかけでそのことを受け入れられるようになったんだよ」
懐かしそうに目を細めた颯真くんは、私に向き直り笑みをこぼす。
…あぁ。そっか…それが…。
その時、私の中でひとつの答えが浮かんだ。
「もしかしてそのきっかけをくれた人って…遥奈先輩…?」
私の問いかけに、驚いたように目を見開いた颯真くん。
…ハァ…。答えを聞く前にわかっちゃったな。



