恋と、嘘と、憂鬱と。


おばさんが…浮気?

颯真くんの母親と会ったのは本当に私が小さい時だけ。

小学校中学年くらいになると、颯真くんは自分だけで飛行機とフェリーを使って島に遊びに来るようになっていたし。

でも、笑顔が綺麗な優しい印象だったことはおぼろげに覚えていた。

「…そうだったんだ」

ポツリと消え入るような声で私が言葉をもらしたその時、ふと颯真くんの言葉に違和感を覚える。

『まぁ、俺も父親もそれに気づいたのは心音が生まれてからなんだけど…』

さっき、確かに颯真くんはそう言った。

心音ちゃんが生まれてから…気づいたって…おばさんはいつから浮気してたの…?

もしかして…。


「…颯真くん、心音ちゃんは…」

自分の声が震えていることに気づく。

すると、私が言いたいことを悟ったように颯真くんが小さく呟いた。


「あぁ。心音と俺は父親が違うんだよ」