恋と、嘘と、憂鬱と。


「まぁ…今はそうかもな。心音がいてくれて楽しいし」

…ん?どういうこと…?

少し含みを持たせたような言い方に若干疑問をおぼえた。

そんな私の視線に気づいたのか久瀬先輩は、苦笑いを浮かべると。

「…心音が生まれたばっかりの時はまだ俺もガキだったし、急にできた妹に両親とられた気になったりとか…反抗期ってやつ?まぁ、そういう感じ」


そう言い放つ。


「…先輩に反抗期とかあったんですね」

思わずポロッと本音がこぼれた。

いつもクールで気怠そうな先輩からは程遠いイメージで私は目を見開く。


「そりゃ、誰しも多少はあるだろ。反抗期くらい…それに昔と今じゃ、俺もだいぶ変わったからな」


その瞬間、どこか懐かしそうな表情を浮かべる先輩に私はなぜか視線をそらせなかった。