「んー。じゃあ、おんぶして〜!」
甘えたような声をあげ、心音ちゃんは先輩の背中に回り込みギュッと後ろから抱きついた。
「はいはい。しっかりつかまってろよ?」
心音ちゃんが乗りやすいようにしゃがみ込んだ久瀬先輩は、軽々と心音ちゃんを抱えあげる。
「はーい!あ、季里ちゃんと同じくらいだね」
先輩の首にギュッと抱きついた心音ちゃんがふと私の方を見て、嬉しそうにそう言い放った。
「ふふ。ほんとだね」
確かに先輩におぶさるとちょうど、私の視線と同じ高さになる。
「心音、疲れたら寝てもいいからな?じゃ、行こうか。堀田」
「は、はい。よろしくお願いします…」
少し緊張気味で声が上ずったが、平静を装い、ちょこんと先輩の隣に並ぶと私は歩き始めたのだった。



