恋と、嘘と、憂鬱と。


スーパーの入り口に立ち、キョロキョロと辺りを見回す心音ちゃんは「ほらね!やっぱり速かったでしょ?」とでも言いたそうな表情で私を見つめる。

その表情は、どことなく嬉しそうで私はクスリと笑みを浮かべた。

すると。

「残念、俺がちょっと速かったな」

スーパーの自動ドアが開き、中から久瀬先輩がビニール袋を片手に現れる。

「…え?あ!お兄ちゃん中にいたの〜?何買ったの??私にも見せて?」

一瞬、ビックリした心音ちゃんだったが先輩の手にビニール袋を発見するとパタパタと近寄って中身を確認しようと躍起になっていた。

「心音、これはあとで!飲み物とかちょっとしたお菓子とか買ったから公園で食べる用な。あと…堀田これ」

ガサッと、ビニール袋から取り出したペットボトルのお茶を私に手渡す久瀬先輩。