「もしもし…」
「あ、堀田か?もうすぐこっちスーパー着きそうなんだけど…」
電話の相手は久瀬先輩。急いでいるのか少し息がはずんでいる。
「あ、私たちも今戻ってきてますからあと、10分ちょっとでつくかと思います」
「そっか、わかった…ありがとな。じゃあ、またスーパーで」
「はい。またあとで…」
電話口からでも心音ちゃんを心配している様子が伝わってきて。
…心音ちゃんのこと大好きなんだな。
そう感じ、微笑ましくなる。
久瀬先輩と出会ってまだ数カ月。
その短い間で私の彼に対する印象は大きく変わったように感じる。
…今日こそ、先輩に聞けるだろうか?
まだ、心のどこかで久瀬先輩が颯真くんなんじゃないかって気持ちを捨てきれない自分がいる。
ここ数カ月で、他学年に“西宮颯真”という人物はいないことは先生にも聞いて確認していた私。
もしかしたら、緑葉谷高校に入学しているという情報自体が間違えなのかもしれないけど。



