恋と、嘘と、憂鬱と。


「うん!心音、お兄ちゃん大好き」

フフッと、はにかみつつも満面の笑みを浮かべる心音ちゃんに私も自然と笑顔になる。

しかし、その一方で。

遥奈先輩って、前は久瀬先輩の家に行くような関係だったってこと…?
それって、やっぱり…付き合ってたってことなのかな。

そんな考えがグルグルと頭を駆け巡っていた。

久瀬先輩の片思いなのだろうと、皆言ってたけど。言われてみれば、仙道先輩と付き合う前のことなんかわからないし…。

モヤモヤした気持ちが晴れないまま、気づけば目的地の『フレーズ・デ・ボワ』に到着していた。

「…あ、心音ちゃん。ここのお店だよ?歩くの疲れたでしょ?」

「ううん…!疲れてないよ、心音、季里ちゃんとお話しながら歩くの楽しかったもん」