恋と、嘘と、憂鬱と。


コクコクと、頷く私に小さく久瀬先輩は笑みをこぼした。

そして。

「心音、このお姉ちゃんの言うことちゃんと聞くんだぞ…あと、これ以上ワガママ言わないこと」

スッとしゃがみ込み、心音ちゃんと目線を合わせた先輩は彼女を諭すように口を開く。

「はーい!お兄ちゃん心配しなくても、もうワガママ言わないよ」

そんな真剣な先輩とは裏腹に、心音ちゃんはニコニコと楽しそうに笑みを浮かべていた。


「…じゃあ、俺もすぐ戻るから」

「はい、わかりました」

「お兄ちゃん、あとでね〜」

買い物を済ませた私達はスーパーの前でいったん解散だ。

未だにチラチラと、私の隣で手を振っている心音ちゃんを先輩は、心配そうに見つめている。

「あの。頼りないかとは思いますけど…ちゃんと心音ちゃんは私が面倒見ますので」