恋と、嘘と、憂鬱と。


「私はね、もうすぐ16歳になるよ」


「んー?そしたら、季里ちゃんはお兄ちゃんといっしょ?」


キョトンとした表情で心音ちゃんは私に話しかけてくる。


少しだけ、慣れてきてくれたのかようやく先輩の前から出てきてトコトコと、私の方に近寄ってきてくれた。


「ううん。心音ちゃんのお兄ちゃんは私より1つ上なの」


「ふーん?そうなんだ!ねぇ。季里ちゃんは、お兄ちゃんと仲良し?」


…え?


キラキラと、純粋な瞳で私を見つめる心音ちゃんの問いかけに一瞬、言葉に詰まった。


仲良し…って、言ってもいいのかな?


普段の私なら基本的に相手が誰であろうと迷わず「うん」と、答えられたと思う。


けど、相手が久瀬先輩だから…なんて、答えていいのかわからなくて…。