恋と、嘘と、憂鬱と。


申し訳なさそうに私に声をかける先輩は、小さくため息をこぼす。

「い、いえ。私は全然大丈夫ですから…!気にしないでください」

そう言いつつ、チラッと心音ちゃんに視線を向けると、久瀬先輩から注意されたことでシュンとしてしまっている。

私はゆっくりしゃがみ込み、心音ちゃんの目線の高さに合わせると。


「…心音ちゃんって言うんだ、可愛い名前だね…!私は堀田季里。私の方こそ避けられなくてゴメンね。ケガがなくてよかった」


そう言って、ニコッと微笑みかけた。


「…季里ちゃん…?ごめんなさい。心音も前ちゃんと見てなかったから…」


恥ずかしそうに下を向き、素直に謝る心音ちゃんのけなげさに思わずキュンとしてしまう。