恋と、嘘と、憂鬱と。


「…あれ?橋本先生?どうかしたんですか…そんなに声を荒らげて」


聞き覚えのある声がして、俺はふいに視線をそちらに移す。


…は?颯真!?何で…ここに??


なんと、季里ちゃんと橋本先生の間に割って入って言ったのは…颯真だった。


玄関付近にいたのか、サッと季里ちゃんの前に立ち、橋本先生に柔らかく声をかける。


俺も速水も、まさかの颯真の登場に驚いて、再度お互いに顔を見合わた。


…でも、この場をおさめるのに颯真は適任だ…!颯真ってなんだかんだ成績いいし、先生たちには気に入られてるから。


案の定、橋本先生も颯真に対しては、あまり強く出れないようで、その場も丸く収まり、ホッと胸をなでおろす。


季里ちゃんも、助けてくれた颯真を気にしていたみたいだが、颯真が橋本先生と共に去ってしまったこと、元々急いでいたこともあってか軽く会釈だけしてその場を立ち去っていった。