恋と、嘘と、憂鬱と。


やっぱり今からでも季里ちゃんを追いかけるか…。

そう考えていた矢先。

カタン

と、椅子を引き、誰かが立ち上がった。

シンと静まり返っていた部室内にその音はよく響き、皆の視線が一気に集まる。


「俺も、今日はもう帰るわ」


席を立ったのは、颯真で…。


それだけ言い残し、近くの鞄を肩にかけ去っていく颯真に、皆、唖然とした表情を浮かべていた。


そんな皆の視線を一切気にせず、部室を出て行く颯真に対し。


「久瀬って…相変わらずマイペースなやつね」

と、美桜ちゃんは、呆れたようにつぶやく。


…どうしよう。フォローできねぇ。


苦笑いを浮かべる俺も内心、颯真のマイペースぶりにため息をつきたくなった。