恋と、嘘と、憂鬱と。


「それに颯真って、基本口数少ないし誤解されやすいところもあるし」


「…でも、この前…堀田のこと助けてたよな」


「……あぁ」


速水の口から出た言葉から、俺は先日見かけた光景を思い出す。


それは、久しぶりに全員が部活に顔を出した日の出来事。


部活中、電話がかかってきた季里ちゃんが席を外し、部室に戻ってきた際、慌てたように帰り支度を始めた。


そして。

「す、すみません…急用ができたので先に帰ります…!真凛ちゃん、ゴメン。先に帰るね!後でまた連絡する」

それだけ言い残し、バタバタと部室を後にする。

最初は、俺も他の部員も何があったのかわからず目をしばたたかせていた。

しかし、そのうち。

「…あんなに慌ててる季里、はじめてみた…大丈夫かな?」

と、友達の真凛ちゃんが不安げにそう言うものだから俺も心配になる。