恋と、嘘と、憂鬱と。


そう言えば、季里ちゃんにはじめて会った時も…無視はしなかったよな、颯真。


季里ちゃんから詳しく話は聞いたことないけれど、彼女の言葉から想像するに、俺たちが通う高校に“西宮颯真”という知り合いが通っているとのこと。

季里ちゃんは、どうやらその彼を探しているみたいだけど…。


西宮姓は、先輩までは把握してないけど、おそらく2年にはいなかったように思う。

じゃあ、やっぱり季里ちゃんの勘違い…?


でも…あの時は確か。


『…いや、知らないけど?…誰?』

『…俺の名前は確かに颯真だけど、名字は久瀬。久瀬颯真』


ふと颯真が発した言葉を思い出し、やはり違和感を覚えた。


知り合いでもない女子に颯真があんな丁寧に答えるか…?

アイツがちゃんと対応する女子って、遥奈先輩くらいだろ。


仮に、颯真と季里ちゃんが知り合いだと仮定してわざわざ颯真が嘘つくメリットってなんだ…?


考え始めると、止まらなくなるのは俺の悪い癖だ。