何の話か知らないけど、気になるものはしょうがないよね。

なんて、自分の行動を正当化しつつ、二人の話に耳を傾けた。


「……り、颯真くん……よね?」

「……」


やっぱり少し距離があるせいか、話し声もまばらにしか聞こえてこない。

てか、充希くんの声はまだ、高くて聞き取りやすいけど、颯真がなんて答えてるかはさっぱりだし。


…これ以上近づくのもなぁ。


颯真は、後ろ姿で表情がわからないが、遠目からでも、充希くんの表情には余裕がないように見えた。


ふーん。颯真がしっかり、充希くんに対応している様子を見ると、やっぱり二人は知り合いってことか?


基本、興味のないことはスルーする颯真がしっかり向き合って話をしている様子からそんな考えに行き着く。


じゃあ、何でさっき…カフェにいた時はお互い声をかけなかったんだ?


でも、それと同時にそんな疑問も浮かび、俺は軽く首をひねった。