ドキドキと、充希くんからの返答を待つ私。


けど。


「いや、ただ…久瀬先輩って人、めっちゃ顔整ってるからちょっと、驚いただけ。久々に自分より顔良い人と会うと緊張するな…」


…へ?


彼から返ってきたのはそんな予想外の答えで、私は思わずパチパチと、目をしばたたかせる。


じゃあ、さっきの戸惑ってる感じの表情は、ただ、驚いてただけってこと?

確かに、久瀬先輩って中性的な顔だし、整った顔立ちだけど…。


チラリと充希くんに視線を移すと、すでに、いつもと変わらない様子。


そんな彼に安堵する反面、私は少しだけ複雑な気持ちを抱えていた。


…たぶん、私、心の何処かで期待してたんだ。


もしかしたら、充希くんも、はじめて私が久瀬先輩に会った時と同じように、久瀬先輩に颯真くんの面影を感じたのかも知れないって…。