「…じゃあ、お願いします」
「まかせて」
ニコニコと、柔らかい笑みを崩さず私の後ろからひょこっとキッチンに顔を出した時、ちょうど奥で準備をしてくれていた充希くんと鉢合わせになってしまう。
一瞬、バチッと、私を隔てて二人の視線が絡み合った…気がした。
すると。
「…誰?その胡散臭そうなヤツ」
ジトッと、まるで嫌なものでも見るかのような視線を霧谷先輩に送った充希くんがそんな言葉を発し、私は思わずカチンと、固まってしまう。
み、充希くん…初対面で年上の人になんて暴言を…!?
「あぁ…。君が大家さんの息子さん?たしか、充希くん…だっけ?グループチャットで話は聞いてたよ。今日は準備手伝ってくれたんだってね?どうも、ありがとう。俺は緑葉谷高校2年の霧谷理央です。よろしくね?」
あわあわと、慌てる私をよそに霧谷先輩は笑みを崩さずにそう答えた。



