恋と、嘘と、憂鬱と。


早口でまくし立てる速水先輩に対し。

「そ、そんな気にしなくていいですよ…」

そうフォローするも。

「いや、先輩として…よくないから!」

と、断固として引かない速水先輩に根負けした私。

「じゃ、じゃあ…お願いします」


最後には、速水先輩に後片付けを全て任せることになっていた。


「…あれ?そういえば、速水先輩、いつも一緒の霧谷先輩は?それに…久瀬先輩の姿もないですよね…?」


ドクン。


真凛ちゃんから不意に出た久瀬先輩の名前に思わず、反応してしまう。


…先輩に、この前助けてもらったお礼まだ言えてなかったな。

和音さんがケガをした日。

橋本先生に捕まっていた私を助けてくれたことを思い出す。

久瀬先輩にとっては、もしかしたらただの気まぐれだったのかもしれないけど…。

実は、あの後、何度かメッセージでお礼を言おうと思ったんだけど、結局、個人メッセージは勇気が出ずに送れなかったんだよね…。