恋と、嘘と、憂鬱と。


突然の着信音に驚いて一瞬固まってしまった私は、その後、3コールほどで切れてしまった電話に出そこねてしまう。



「…クスッ。季里ちゃん、授業中に鳴ったら没収だから気をつけないとだよ。特に古文の橋本とか目ざといから」


やんわりとした口調の霧谷先輩に諭され、私は「は、はい。気をつけます!」と、慌てて声を発した。


「いや、俺…先生じゃないしそこまで勢いよく返事しなくても…フフッ」


私が勢いよく返事をしたのがよほど面白かったようで霧谷先輩は、フルフルと肩を震わせて笑いを堪えていて。


そんなに面白かった…かな?


と、いまだにクスクスと笑う先輩に首を捻りつつ、スマホの着信履歴の画面を確認する。


…え、和音さん??


そこに表示されていたのは【和音さん】の名前。