「あ、心優ちゃんこっちこっち〜」



ちょっと早かったかな…と思ったのに、全然そんなことなかったらしい。



壁にもたれかかっている明楽先輩が、私に手を振って笑っていた。



「す、すみません…!待たせちゃいましたか?」



「んーん、ぜんぜん待ってないから。安心して?」



先輩はニコニコ笑顔を崩さずにそう言ってくれるけど、本当かどうかわからない。



「ほら、そんな暗い顔しないの。心優ちゃんは笑ってた方が何百倍も可愛いんだから」



さらりと言ってのける明楽先輩に、条件反射で照れてしまう。



「っ…!か、からかわないでください…!」