さすがにそれは若菜に申し訳ない。



「……ダメなの?」



「っ…」



断ろうと思ったのに、捨てられた子犬のようなうるうるとした目で見てくる廿楽くん。



か、可愛すぎるっ…!



母性本能というやつを刺激されて、こくりと首を縦に振ってしまった。



「やった。教室まで迎えに行くから、絶対待ってて。わかった?」



「は、はい…」



はぁ…若菜になんて言おう…。



少し明日が不安になりながらも、廿楽くんとの昼休みが待ち遠しかったり…。



「…心優、なんか顔にやけてない?」



「き、気のせいだよ…!」



そんな約束をして、ちょっと浮かれてしまった私であった。