2週間が経った。



小学校。

昼休みの、五年二組の教室。



「みんなでサッカーしようぜ!」



アキラくんのひと声でみんなが、
「やるやるー!」
と、集まる。



言う。

言うぞ。



「……っ」



誘われなくても。

自分から声をかけるんだっ!



「あ、あのっ!!」



思ったより大きな声が出た。

クラスのみんなが、きょとんとした目で私を見ている。



(ひぃーっ、注目されてるー)



逃げ出したくなる。

でも。

ねこはちさんが頑張ってるんだ。

私だって。



(勇気を出したいっ)



「あのっ、わた、私も、一緒にサッカーやりたい!」



しんっと静まる教室。

恥ずかしくて。

目がウルウルしてくる。



アキラくんが私に近づいて、
「なんだー、寅山も一緒に遊びたかったんだなー!」
と、ニカッと笑う。



「えっ……?」

「寅山はオレ達と遊びたいとか、思っていないのかと思ってたー。ひとりが好きなのかなって」

「ううん、違うよ」