(窓のところに何があるんだろう?)



ちょっと背伸びして。

ネコに気づかれないように、後ろから見てみる。



そこには。

右耳に灰色のブチ模様のある、美しいネコがいた。



家の人の、
小町(こまち)ちゃーん、ごはんよー」
と、そのネコを呼ぶ声が聞こえる。



二本足で立っているネコは、小町と呼ばれたネコに一礼した。



(どんな関係なんだろう?)



考えていたら。

二本足で立っているネコが振り返って。

私と目が合った。



「わっ」



急だったから、驚いてしまった。



「悪いな、驚かせたかい?」



そのネコは、私に向かってしゃべった。



「えっ……」



再び驚いて。

ネコをじっくり観察する。

もしかして、遠隔操作で話せるロボットとか?

いやいや、そもそもこのネコが話したんじゃないかも?



観察するように見る。

灰色のハチワレのネコ。

ちょっとだけ太っている。

二本足で立っている事以外は。

普通のネコだけど……。