今日はひなこは小日向の家に来ていた。

そろそろ小日向さんと向き合わないと小日向さんが可哀想だし、自分も小日向さんに会いたくてたまらなかったので約束をして、会いに来た。

小日向さんは、部屋着で「どうぞ」とひなこを快く迎え入れた。

そして、ひなこが家に入ると、ギュッと抱きしめて、「会いたかった」と言った。

あんなにツンデレだった小日向さんは一体どこに行ったのか、これは本物の小日向さんなのかと疑いたくもなったが、自分の目の前にいるのは、紛れもなく自分の大好きな小日向さんであることは分かっていた。

小日向さんが沢山抱きしめてくれるので、ひなこも沢山抱きしめ返した。

幸せに包まれた空間は二人に、時間を忘れさせてくれた。

しばらくして二人は体を離すと、一緒にソファに座った。

ひなこの隣には、小日向さんがいて、小日向さんの隣には、ひなこがいた。

ひなこは改めて、小日向さんをしっかり見つめると、小日向さんもひなこを笑顔で見つめてくれた。

そしてひなこは「私も小日向さんと結婚したいです」と言った。そして「もちろん小日向さんとは付き合ってもないし、同棲もしてなくて、いきなり結婚なんて不安は大きいけど、小日向さんとなら何でも乗り越えられる気がしたから、私も小日向さんの隣にずっといようと思います!」と元気よく言った。

小日向さんはその返事がとても嬉しかった。そして何よりも、ひなこがちゃんと自分のことを精一杯考えてくれたことがたまらなく嬉しく、愛しく思えた。

小日向さんはもう一度ひなことハグをすると、今度はそっとひなこに自分の顔を寄せ、優しくキスをした。

ひなこは若干照れながらそれに応えた。

二人は顔を話すと、顔を合わせて笑い合った。二人ともまさかこんな日が来るとは思ってなかったので、今までの日々が懐かしく面白く思えた。

もちろん楽しいことばかりではなかったが、あの日々は二人の人生にとって、かけがえのない1ページといつの間にかなっていた。

小日向さんは目の前の箱から、ネックレスを取り出した。そこにはリングが付いており、それは婚約指輪だった。

「急いで買ったから、あんまり高価なものじゃないけど」とやや遠慮がちに、小日向さんはそれをひなこに付けた。

それはひなこにとても似合っており、「似合ってる」と小日向さんはひなこに微笑んだ。

ひなこは「嬉しい。ありがとうございます」と言った。

そしてしばらくすると、ネックレスからリングを外し、自分の左手の薬指にはめてみた。

するといつ測ったのかとびっくりするほどピッタリだった。そして、リングの内側には「KOHINATA♡HINAKO」と刻まれており、それは紛れもなく世界でたった一つのひなこの指輪だった。

そして、ひなこは小日向さんに抱きついて、「大好き」と言うのだった。

小日向さんもやはりまだ恥ずかしいので、照れながら「俺も大好きだよ」と言った。

そしてまたキスをして、二人は永遠の愛を誓い合うのだった。

かつては"ツンデレ王子"と"メンヘラ姫"だった二人はいつの間にか、"甘々王子"と"旦那溺愛姫"になっていたのだった。
fin