講義が終わると、ひなこと和真は食堂に来た。食堂は昼時ということもあり、かなり混み合っていて、席が無いか不安だったが、講義をサボって、ずっと食堂にいた後輩の野田佳音(のだかのん)が席を取っててくれた。

席を取ってるより、いたからというのが近い気もするなとひなこは思った。

佳音はせっかく大学に来てるなら講義に出ればいいのにとひなこは思った。こんな態度の佳音だが、成績はすこぶる良いので、ひなこはいつもなんでだと不思議だった。

佳音は、「今日サークル行きます?」と二人に聞くが、二人は「行かない」と言った。

三人は野球同好会に参加しているが、出席率はあまり良くない。ひなこは小学校のバイトの影響であり、ただサボっている和真とは違った。

「なら、そろそろ行かないと」とひなこはバイトに向かった。