その日は、和真と佳音と、なんと青葉先生と四人でフォレストアドベンチャーに来ていた。

ひなこはどう考えても青葉先生は気まずいだろと思ったが、意外にも自分たちと歳が近かった。同じ世代とギリギリ呼べる年齢で、今までなぜ知らなかったんだろうと思った。

全くの部外者である和真はどうでもいいという感じで「うっす」と軽く挨拶をしていた。ひなこはこいつの順応性は何なんだと思った。

今回のフォレストアドベンチャーは、元々ひなこと和真で行く予定だったが、佳音に気まずいからどうしてもと頼まれ、四人になってしまった。

それは余計こっちも気まずいのでは？と思ったが、どうしても、どうしてもと何度も言われたので、仕方なく承諾したのだった。

最初に説明を受けた。この時の並びは、和真、佳音、青葉先生、ひなこだった。そしてこれがいけなかった。

実際にやってみましょうと言われた。ペアを組まされた時、順番ごとにと言われたので、まさかの和真、佳音、そして、青葉先生と自分になった。

えぇそれはないだろとツッコミたかったが、佳音は青葉先生と若干喧嘩しているので、あえて和真と仲良さそうに前に進んでしまった。

取り残されたひなこは渋々青葉先生とペアを組むのだった。

青葉先生とは仕事上の話しかしたことがなかったが、意外に紳士な感じだった。これが数々の女を騙してきた所以かとも思ったが、なるほどこれなら分からなくもないとも思った。

きめ細かな配慮で、少しひなこが遅れると振り返り立ち止まり、「大丈夫ですか？大変ですよね」と声を掛けてくれた。ひなこはまるで小日向さんみたいだなと思った。

しかし、意地悪な小日向さんはきっとこんな所に来たら自分のことを突き落として笑うタイプかと思い直し、正反対だわと思ったのだった。

一方、先に進んでた佳音は、なんだかんだ青葉先生たちの様子が気になり、度々振り返っていた。

和真からは「そんなに気になるなら待ってればいいじゃん。俺だってひなこと行きたいし、あいつ何か気に食わん」と言った。

佳音はそう言われると「良いんですー」とまた前を向いて、和真の背中を押した。和真はその反動で落ちそうになり、佳音は近くの係員に注意されていたのだった。