ひなこは夜になると、結愛と居酒屋に来ていた。結愛は、短大に行っていたので、ひなこよりも一足先に社会人になっていた。生命保険会社に勤め、バリバリ保険を売りつけているらしい。

「ごめーん、待たせたね」と結愛はスーツでいつもと違う大人な雰囲気を漂わせ、居酒屋に入ってきた。

ひなこはなんとなくカメラを向けた。「ピースしてよ」と言った。するといつもの通りノリ良く結愛はピースをしてくれた。

ひなこは撮った写真を見るとなんてこの子はなんて可愛いんだと思った。自分もこんな可愛かったらイケメン小日向さんと釣り合って、付き合えるかもしれないのになぁと思った。

そして、ひなこはなんとなくその写真を小日向さんに送り、「可愛いでしょ」とコメントを添えた。

小日向さんからは「もはや引き立て役、お疲れ様です」というLINEが来た。

ひなこはまたかと思ったが、それに乗り、「美織といる時と同じポジションで泣きます」「ちな小日向さんといる時もです」「私、主役になりたいです」と送った。

すると小日向さんから「主役のなり方は美織さんがよく知ってるから相談しなさい」と来た。

ひなこはなんだとと思い、すぐに「小日向さんも知ってますよね」と送ると、「その即レス怖い」と来た。

ひなこはこれはジェネレーションギャップだなと思い、「みんなにですよ」と送った。

そして、「飲みは金曜でいいですか、と美織が言ってます」と送った。

すると小日向さんは「美織さんが言ってるのかい」「それはちょっと検討しとくわ」「こっちもエリートサラリーマンに声かけてみるわ」と返信を送ってきた。

ひなこは何で美織が言ってたらすぐに検討するんだと膨れたが、会えるならいいかとも思ったのだった。