今日はひなこは久しぶりに友人とNONBEEに来ていた。中高でバスケ部で同じだった、キャプテンの羽海と瑠華である。

羽海はとても可愛い顔で女優の長瀬すずに似ているとよく言われている。そのせいか男子は羽海を放っておかず、いつも誰かと付き合っている。ひなこは顔が可愛いのもあるが、それより胸がでかいこともあるのでは?と目の前にあるでかい唐揚げを箸で持ち、羽海の胸と比べた。羽海は「なにしてんの?」と至って、見かけとは正反対なサバサバな対応をした。

瑠華は可愛い系というより、かっこいい系でいかにもクールビューティーという感じである。紙もサラサラで、黒髪で、さらに羨ましいことに直毛である。肩までで切り揃えられた髪型は彼女のトレードマークである。

瑠華が「ひなこは最近どうなの?」と聞いてきたので、ひなこは本題とばかりに身を乗り出した。

「それが最近イケメンと出会ったのよ」とひなこが言うと、「おぉ」と二人から歓声が上がった。そして今までの経緯を簡単に話すと、二人はなるほどという顔をした。羽海は「春が来たね」と力強いまなざしで言った。ひなこは「そうだよね」とニヤニヤしながら同意した。瑠華は、「よくそんな人と出会えたねぇ」と言った。羽海は「そうそう」と頷くと、「LINE見たい!どんな人か気になるし」と言った。

そしてひなこは二人に一連のLINEを見せた。二人は上から下まで隅々までLINEを物色した。ひなこは恐る恐る二人の顔を見ると、羽海も瑠華も怪訝な顔をしていた。

そして、羽海が口を開くと、「少し怖いかな?」と言った。隣から瑠華も「相手雑じゃない?返信」と口を挟んだ。ひなこは自覚がなかったので、「まじかぁ」と口をあんぐり開けた。瑠華が「だってさぁ、後輩の写真送った後の返信、誰?とかだし、私だったらちょっときついかなぁ」と言うと、羽海も「返信短いし」と口を揃えて言った。

ひなこは「そっかぁ」と言うと、腕組みし、「でも、小日向さん三十代で独身子供なしって、きっと何かあると思うから、これぐらいの素っ気なさなにも気にならないなぁ」と言った。瑠華は「まぁひなこがいいならいいけどさ」と目の前で焼けたタンを口に入れた。