今日はひなこと佳音は、大学に行った後、小学校のバイトであった。小学校では、もうすぐ行われる運動会に向けて更なる練習に励んでいた。

運動会の指揮を執るのは、もちろん体育の先生である、佳音の彼氏の青葉先生である。一際はりきっている姿を見せ、皆もそれに従った。元々、女関係は良い噂は聞かないがそれほどモテるのは、彼の人望あってこそだった。

佳音はそんな青葉先生の素敵な姿を見て、「私の彼氏かっこいいですねぇ」とぼやいていた。ひなこはそれを見て、ノートで「仕事しろ」と佳音の頭をはたいた。「痛て。なにするんですかー」と佳音が言うと、「あんたがいつになく惚気てたから、目覚まさしてあげようと思っただけ」とひなこは言った。佳音は、「余計なお世話ですー。彼氏もいない人には分からないですよー」と嫌みを言った。

ひなこはまあそれもそうだなと納得もしたが、自分にだってきっと、もうすぐ春は来るはずだからとよく分からない自信に満ちていた。

青葉先生は今日も職権乱用とばかりに佳音先生を呼んでいた。運動会の役割表を見ると、佳音はバイトであるにも関わらず、ちゃっかり、青葉先生と同じ運営委員会に入っていた。この役割表は、もちろん青葉先生が作ったので、ひなこは確信犯だと思った。

一方、ひなこは一番人気の無い、清掃委員会という地味な場所に入れられていたので、あのくそ葉野郎と腹を立てずにはいられなかったのだった。