ひなこと佳音は小学校に行くと、体育の授業の補佐についた。

この小学校では、クラスごとに体育があるのではなく、学年ごとに体育があるのだった。三クラスあるため、相当な児童を相手しないといけないので、二人は今回駆り出されたのだった。

早速、主任の先生が「号令」と言うと、さっきまで騒がしかった生徒たちがシンと静まった。

さすが、怖いと言われるだけあるなと思ったが、この先生は実は佳音と付き合っていた。学校には内緒にしているので、ひなこしか知らなかった。

そもそも佳音は高校時代、音楽の先生と付き合っており、先生がタイプと言っていた。

先生と付き合うなんて、学校嫌いのひなこからしたら訳が分からないがきっと大人の魅力というものが佳音には分かるのだろうと思った。

しかし、それが映画のような綺麗なものだったらよかったが、運悪く、ひなこの友達とその前に付き合っており、別れた原因が佳音と付き合うためだと知った友達は激怒していた。

そしてその先生のことを深夜に「M字ハゲ」「猿」と豪語していたので、いつ自分に飛び火するか分からないとひなこはヒヤヒヤしたのだった。

「佳音先生」と気安く下の名前で主任の先生が呼んだ。佳音は「はぁ〜い」と可愛い声を出していたが、児童の前で馴れ馴れしいだろとひなこは毒を吐かずにはいられないのであった。