久しぶりに出かけるなぁ。

夏でも昼間から出かけるのに私のコーデは
黒ベースの蛍色のワンピース。


となりには.....誰もいない。
お一人様はあきあきとしてるほど慣れている。

どこに行くかも決めてない。

ふらふら歩いて、回って、逆に迷いたい気分だ。
何かを探したいのだから
街へ出かけたいのでもある。

大きな交差点に差しかかるコロナ禍というのに
大きな旅行カバンで移動する人や
家族連れ、若者たちを目にして、私は見ないふりを
する。

私とはなんだか別の世界というか、
住んでいる宇宙もちがうような違和感を感じる。

コロナ後遺症になると、
まわりの世界が今までいた世界と
微妙に変わって、接点のある温かい世界と私の世界は切り離されたかのように感じる。

ひとことでいうと スッキリしない違和感だ。

いつもと感覚が、
違うのだ....   何かが。

私は駅ビルを過ぎ、ゆっくり歩く。

だいぶ慣れてきたなぁ人の多さに。でも
なんだか疲れてきたから少し休憩したい。

もう少し歩くか....



路地に迷い込んでしまいたいように
かき分けるように進んでいく。簡素な作りの
雑居ビルに永次コーヒー☕️という店を見かけたので入ってみることにした。

「いらっしゃい」と威勢のいい掛け声が響いた。
ここは寿司屋かラーメン屋なのか
私は戸惑う。

「お好きな席へどうぞ」と
続いて呼ばれたがカウンター5席しかない。
バー喫茶のようだ。

「あの ここの おすすめはなんですか?」

すると永次店長が
機械を指差し、
「豆から挽いた特製の水出しコーヒーですよ?」
......
「実をいうと朝作ったのは
    出張先に若いスタッフが持っていって
  そこで売りに出しているんです。

水出しはアイスのほうがキリっとして
味わいやすいので
シロップとミルク入れて
         いただいてください」


ええ......「どうもありがとう」


私は言われた通り水出しコーヒーをいただいた。

んーん....ん!ん?

アイムズコーヒーとちがって
個性的だなぁ!

深みとコクが強烈、、匂いからして
外観からして
ぴったしの頑固一徹コーヒーね笑

「店長さん、残りの水出しはどこで飲むことが
できるんですか?とても美味しくいただきました♪」


「大鶴公園だよ、はやく行かないと売り切れて
しまうよ、
お客さん、この名刺とカードあげます」

ん?名刺とカード、

「こちらの名刺をスタッフに見せて無料券で
いただいてください。 スタッフも是非
歓迎しますよ」

「ありがとう店長さん、調子良ければ
       是非立ち寄ってみるわ
   今日は本当にありがとう」


私は会計を済まして、
名刺と無料券を何度も見る。

公園は今、日が高く体力を奪われてしまう。
本屋で時間を潰そうと思い、
怪しげな路地の街を奥へ奥へと突き進む、
永次コーヒーは想いにあるものの、
今の私は
気分的に、人のいない空間に逃げ込んでしまいたい。

その光景は向こうからやってきたような
錯覚があった。
ようこそというように

ひっそりと佇む古民家、

どうやら人は.....いなさそうだ。

個人経営のカフェでも決して落ち着いたといえない私は
いったいどこなら落ち着くというのか?.....