夜が明けたら君に幸せを。

私が汐江くんを好き?そんなわけない。


そんなわけ…。



「あーたしかに萌ちゃんとかすごいガチ勢だもんね。…でも朝陽があんな感じなのは、お母さんのせいでもあるんだよ」


「…え?」


「朝陽のお母さん、朝陽が小四の時に浮気して出て行っちゃったの。しかも朝陽の誕生日の日に。朝陽って、いろんな女の子と遊んでるけどそれでも特定の彼女とかは作らないの。それはきっと、また裏切られるのが怖いからだと思う。朝陽は愛されたいって気持ちがこじれちゃってるだけなんだよ」



汐江くんはただの女たらしな人ってだけじゃなかったんだ…。



「なんて、朝陽の気持ちなんて全部私の憶測なんだけどね。朝陽って絶対に弱み見せてくれないからさ。もう何年も一緒にいるのに、私も爽也も一度も朝陽の弱音とか聞いたことないもん」



花音は少し寂しそうな、悲しそうなそんな顔で微笑んだ。



「そろそろ朝陽たちのとこ行こっか。おなか空いちゃったし」


「あ、うん。そうだね」



花音と沖に上がり、海の家に行く。



「な、なにこれ…」



お昼の時間を避けたというのに、なぜかたくさんの人が並んでいた。…主に女性客が。


人の間を縫って中に入ると、どうしてこんなに混んでいるのかすぐにわかった。