夜が明けたら君に幸せを。




「明日香ー。帰ろうー」


「ごめん、今日玲音の家寄るから、先帰るね」


「そっか。心配だもんね」



花音にごめんともう一度謝ってから、久しぶりに玲音の家を尋ねる。


インターホンを押すと、しばらくしてから玲音が玄関の扉を開けて出てきた。



「…明日香?」


「あ、叔父さん大丈夫なの?施設は今日からだっけ…?」


「え?…なんで明日香が知ってるの?言ったっけ?」


「あ。え、えっと…その…」



やばい。まだこの世界では、叔父さんがちょいちょい入院してしていたことくらいしか知らない設定なのに。



「まあいいや、寄ってってよ。ちょうど手続きとか終わって帰ってきたとこなんだ」


「あ、おじゃまします…」



玲音はあまり気にしなかったようで、ホッとする。



久しぶりに入った玲音の家は前とあまり変わっていなかった。


居間で叔母さんにお線香を上げてからリビングに行き、玲音が入れてくれた麦茶を一口飲む。