この声は、玲音だ。
聞き慣れた唯一信じている人の声に、心が少しだけ落ち着く。
「帰ろう、明日香」
「…うん」
「…如月さん」
びくりと体が震える。
返事をしようか迷っていると、肩を抱いていた玲音の力がぐっと強まった。
「もう、こいつに関わんないで」
玲音の言葉に汐江くんは何かを言おうとしていたが、ぐっと堪えて口を閉じた。
「…またね、如月さん」
それだけを言うと、汐江くんは悲しそうに顔を歪めて来た道を戻っていった。
*
それから土日も挟み五日間、私は風邪を引き学校を休んだ。
「熱、もう平気なのか?」
聞き慣れた唯一信じている人の声に、心が少しだけ落ち着く。
「帰ろう、明日香」
「…うん」
「…如月さん」
びくりと体が震える。
返事をしようか迷っていると、肩を抱いていた玲音の力がぐっと強まった。
「もう、こいつに関わんないで」
玲音の言葉に汐江くんは何かを言おうとしていたが、ぐっと堪えて口を閉じた。
「…またね、如月さん」
それだけを言うと、汐江くんは悲しそうに顔を歪めて来た道を戻っていった。
*
それから土日も挟み五日間、私は風邪を引き学校を休んだ。
「熱、もう平気なのか?」

