夜が明けたら君に幸せを。

–––『明日香なんて、いなければよかったのに』


–––『最低だね、如月さん』


–––『誰もお前の顔なんて二度と見たくないんだよ』


–––『あんたなんか、産まなきゃよかった』



…やめて。やめてやめてやめてやめてやめて。


わかってるから。わたしが全部一番わかってるから。



–––『ごめんな、明日香…』



「やめてぇ…っ!」


「如月さん!?」



両耳を塞いでうずくまるが、聞きたくない言葉はずっと頭の中で再生される。


もう嫌だ。


なんであの時、死ねなかったんだろう。



「…明日香!」



耳を塞いでいた腕を力強く引っ張られ、そのまま誰かに抱きしめられる。



「明日香、大丈夫だ。大丈夫だから」