夜が明けたら君に幸せを。

「だから、離してって!」


「いいじゃんー俺らすぐそこの部屋だし、ご飯もおごるよー?」



そっと覗くと、ドリンクを持った柏木さんが、どうやら二人の大学生くらいの男の人たちに絡まれているようだった。


私には関係ない、とその場を去ろうと踵を返す。



「やめて…っ」



…柏木さんの悲痛な叫びに、自分を重ねたからかもしれない。


理由はわからないが、気づいたら柏木さんを庇うようにして飛び出していた。



「ん?なあに、この子?お友達?君も可愛いねー」


「え…如月…さん…?」


「嫌がってるんで、やめてください」


「えーつれないなあ、ちょっとくらい遊んでくれたって…」


「あんまりしつこいと、助け呼びますよ」



私の強がりの言葉に、ぐっと男の人が押し黙った。



「もういいよ、行こうぜ。な?」


「もういいわ、なんか萎えたー」