もしもそうだとしたらかなりショックだ。


…それに、俺は中学の時にかなりいいとは言えない女関係を築いてきたため、そんな汚い俺が明日香に知られてしまうような気がして怖かった。



結局俺は入学してから一度も明日香に話しかけることはなかった。


端と端のクラスだったため日常生活で顔を合わせることもほとんどなく、移動教室の時にちらりと盗み見るくらい。


明日香はいつ見ても一人でいて、笑っているところなんて見たことがなかった。



修学旅行の日も、もしも俺らのクラスも同じ時期に行けてたら、もしかして明日香と関わることがあったのかもな、と考えた。


まさかその修学旅行に行く途中で事故に遭ってしまうなんて、思いもしなかった。


それは本当に一瞬のことで、もうすぐ死んでしまうんだという意識の中で思い浮かんだのは明日香だった。



…そうだ、明日香との約束。まだ守れていない。


俺が明日香を助けに行くって言ったのに。


明日香は今、苦しんでいないだろうか。一人じゃないだろうか。



明日香…。





目が覚めると、なぜか夜の学校の廊下に仰向けで倒れていた。



「ん!?」