「はぁ?突然どうしたんだ?」 「べつに」 「沙也香は幼なじみだぜ、わかってるだろ?」 「そうだけど……」 優介は、あきれ顔で私を見つめた。 付き合いが長い幼なじみは恋人になれる。 でも、沢山の時間を一緒に過ごしてきた姉と弟は家族以上の存在になれない。 口を噤んで気まずい雰囲気。 短い沈黙を破って、私が話し始めた。 「私、幼い頃からずっと思っていたことがあるの」 「ずっと?何をだ?」