北斗はそう思いながら慎重に歩き出す。この暗くて不気味な場所から早く出たい、その一心で出口を探し始めた。

道を歩いてみるも、左右に見える景色はそれほど変わらない。だが、悲鳴のような声はだんだんと大きくなっているような気がした。

「声のしている方に近付いているのか?」

もしも誰か人がいるのだとしたら、それはここがどんな場所なのかを聞くことができるチャンスだ。北斗は音を頼りに歩く速度を少し速める。

「ヴァァァァァァァァァァ!!アヅイィィィィィィィ!!」

聞こえていたのは、やはり人の悲鳴だった。北斗は緊張を覚えながら場所を探る。悲痛な叫び声に、びくりと何度も肩が震えた。

「フギィィィィィィィィ!!ハガァァァァァァァァァ!!」

「……お前は天ではなく、この場所に送られた。きちんと受けるべき罰は受けないとね?」

悲鳴と見下すような声が北斗の心を突き刺す。そっと岩の陰から北斗が覗くと、そこには残酷な光景が広がっていた。