「昨年までいたからね、試験対策は任せてくれていいよ
 仕事の合間に教えに来られるし、是非とも
シャルの力にならせて欲しい」

とても頼もしいディランお兄様でした。

(3年間、がんばって乗りきってみせるわ!)


私の学園入園までには1年以上ありました。
ディランお兄様はお言葉通り、定期的に邸へ通ってくださいました。

それでも確かに領地経営科は大変でした。
単に領民から税を納めてもらい、それを王家に。
当初の私が領主の仕事として認識していたのは、その程度だったのです。


領地には様々な問題があります。
領主はそれらを解決し、領民を守らなくてはならないのです。
災害に備え、環境を整え改善し、医療を充実させ平等に教育を受けてもらわねばなりません。
課題は多岐に渡っています。


クラスの大半はやはり男性でしたが、ご令嬢も10人程在籍していて、私達女生徒は団結し切磋琢磨しながら、充実した学園生活を過ごしていたのでした。

ところが。
昨年、ノーマン様が卒園間近、珍しく学園で昼食を誘ってくださった時……お話をこう切り出されました。


「騎士団試験を受けたんだ
 合格したので入団してもいいよね?」