授業が終わり、僕たちは屋上に向かった。


ベンチに横並びで座り、お互い無言のまま。

僕は思い切って、ノートを開く。


『今まで黙ってて、ごめん。僕は』

そこで、書く手が止まってしまった。

君は急かすことなく、じっと待っててくれた。


『僕は、耳が  聞こえないんだ』