「ごめんなさい、起こしちゃいました?」
「いや。なんか、良い匂いがしたから」
むくりと起き上がろうとする一哉さんの背中に咄嗟に手を添えたらまだ熱がこもっていて、顔を歪めながら辛そうに体を動かしていた。
「少しでも何かお腹に入れた方がいいと思って」
私はお茶碗に一杯分のおじやをよそって彼に差し出した。味見をしたときは美味しいと思ったけれど、果たして彼の口に合うだろうかと内心どきどきしてたまらなくなった。
「ん?」
しかしそんな心配も吹きとばすくらいに彼は私の作ったおじやを一気にたいらげてくれて、じっと見つめていたら不思議そうにこちらを向いた。
「その食欲があれば大丈夫そうですね」
くすっと笑みがこぼれる。
なんて言ってくれるのか、なんて淡い期待をしていたものの、作ったのが私だと言っていないからまるで気づいていないみたいで当たり前のように頬張っている。
言葉にしてくれなくても何も言わずに黙々と食べてくれる様子を見れただけでホッとした。彩乃さんに教わりながら作ったとはいえ月島家の味と遜色なくできたようで嬉しかった。
「いや。なんか、良い匂いがしたから」
むくりと起き上がろうとする一哉さんの背中に咄嗟に手を添えたらまだ熱がこもっていて、顔を歪めながら辛そうに体を動かしていた。
「少しでも何かお腹に入れた方がいいと思って」
私はお茶碗に一杯分のおじやをよそって彼に差し出した。味見をしたときは美味しいと思ったけれど、果たして彼の口に合うだろうかと内心どきどきしてたまらなくなった。
「ん?」
しかしそんな心配も吹きとばすくらいに彼は私の作ったおじやを一気にたいらげてくれて、じっと見つめていたら不思議そうにこちらを向いた。
「その食欲があれば大丈夫そうですね」
くすっと笑みがこぼれる。
なんて言ってくれるのか、なんて淡い期待をしていたものの、作ったのが私だと言っていないからまるで気づいていないみたいで当たり前のように頬張っている。
言葉にしてくれなくても何も言わずに黙々と食べてくれる様子を見れただけでホッとした。彩乃さんに教わりながら作ったとはいえ月島家の味と遜色なくできたようで嬉しかった。


