「結?」
立ち尽くしていたらレイナが私に気づいてしまった。巧さんの腕に絡めようとしていた手を急いで引いもどしたのを見て、たまらず背を向けた。
「待って!」
足早に立ち去ろうとした私の腕を掴まれたけれど、今はレイナの顔が見ることはできなかった。
「違うの。これは、その」
口ごもる彼女に耐えきれず掴まれた手を振り払った。
一度も顔を上げずに逃げるように席に戻った私は、驚く一哉さんには目もくれずそのままグラスワインを一気に飲み干した。
「おい、ちょっと」
「もう一杯頼んでいいですか」
お酒は強くなんてないのに、今はもう感情がぐちゃぐちゃで何もかも忘れたかった。私はそのままやけになって何杯も飲み続けた。
「飲み過ぎだ」
視界がぐるぐると回る。
呆れた声が遠くの方からぼんやりと聞こえてくるが、頭が回らず考える気力もない。一哉さんに支えられながらおぼつかない足取りで知らない道を歩く。私はどこに連れて行かれるのだろうか。そんな悠長な思いが巡るだけだった。
立ち尽くしていたらレイナが私に気づいてしまった。巧さんの腕に絡めようとしていた手を急いで引いもどしたのを見て、たまらず背を向けた。
「待って!」
足早に立ち去ろうとした私の腕を掴まれたけれど、今はレイナの顔が見ることはできなかった。
「違うの。これは、その」
口ごもる彼女に耐えきれず掴まれた手を振り払った。
一度も顔を上げずに逃げるように席に戻った私は、驚く一哉さんには目もくれずそのままグラスワインを一気に飲み干した。
「おい、ちょっと」
「もう一杯頼んでいいですか」
お酒は強くなんてないのに、今はもう感情がぐちゃぐちゃで何もかも忘れたかった。私はそのままやけになって何杯も飲み続けた。
「飲み過ぎだ」
視界がぐるぐると回る。
呆れた声が遠くの方からぼんやりと聞こえてくるが、頭が回らず考える気力もない。一哉さんに支えられながらおぼつかない足取りで知らない道を歩く。私はどこに連れて行かれるのだろうか。そんな悠長な思いが巡るだけだった。


