僕の愛おしき憑かれた彼女

学校で、いつも一緒に居る、愛子のおかげなのかも知れない。

砂月は、前よりも自分の意見をちゃんと伝えようとする姿勢が見られるし、何より前向きになった。

憑かれるかも知れないと、怯えることより、憑かれないようにと、自身をコントロールしようと努力している。

秋の訪れを告げるように風が、ガードレールをすり抜けて、砂月の髪を揺らした。こうやっていつまでも砂月と並んでただ歩けたら、どんなにいいだろう。

「ところでさ……砂月、いつカヨさんに憑いてもらうんだ?そもそも、意図的に、干渉するのって、難しくないのか?」

砂月の顔が、少し強張った。